富山から東京まで、千秋楽の公演を見てきました。

ダンスと殺陣と生演奏が全編に使われた、公演の規模からすると贅沢な芝居でした。踊りはとても良かった。特に益山貴司さんの演じた敷島太夫がすごかったー。女豹でしたよ。

幕末を舞台にしたソウルレビュー的な芝居ってすでに定番化していて、幕開けの口上のあと踊りが始まった時にはどんなものかなーと覚めた目で見ていたけど、音楽のバリエーションや効果音的な使い方が面白くて、それこそ序盤半ばの吉原のシーンから入り込んでいった感じがしました。

そもそも同じ寮で住んでいた小林欣也がまっとうな芝居に出て東京でやると聞いて、マジか?どんな芝居やろうか?と思い見に来たわけです。

しかし、この芝居のグダグダ展開をうまく背負っていていい仕事だったなあ。

狭い舞台、たくさんの役者さんが何役もこなす展開の中でどうしてもキレイに進められないところを、ひどい顔と存在感でうやむやにしてくれるのは、作る側からすれば本当に便利な役者やろうなあ。

脇の人でいえばエドサイバンショーの人(山田春江さん)、吉原の呼び込みの人の盛り場感、言葉でアガる感覚はとても好きでした。

子供鉅人の役者さんが肉体重視という感じがあったけれど、客演の人で言葉が使える人、独特な存在感な人をうまく配役していたと感じます。

松、竹、梅の三姉妹が主人公として、それぞれが幕末の動乱を激しく生きるというのが雑なあらすじ。三人とも動き、歌とても良かった。最後にオープニングの踊りをもう一度繰り返すのだけど、汗と疲れと意気が込められた動きでいいもの見てるなー、って感じました。けれどなあ、と思うところもあります。

まずお松さんはもっと相撲で闘ってくれるんだと思った。タイトルを背負ってるだけに最強キャラかと思っていたのでちょっと最後の演出も含めてもったいなかったかな。

まず、重ね餅の人形を相手にした相撲のシーンでも、もっと二人で相撲している感じが見えれば強さの証明ができたのではないかな。

プロレスラーはホウキを相手にプロレスができると聞きます。動かないものが技をかけてくるのをきちんと受けられる、そんな技を受けるリアリティをもっと感じたかった。他のシーンの殺陣が良く考えられてるだけにそこがとても残念なんですよね。

お梅さんは演技どうこうよりもストーリーがもったいない。

妾として売られた武士に武芸を教え込まれたという下り、最後にセリフだけで事情が明かされるのは流石にひどいと思った。どこかで演技として匂わせることはできなかったのだろうか。

頭にピストルのせた侍のお梅さんへの感情も、惚れたのか、子飼いにしたいという感情だったのか、ニュアンスを感じさせるにはあと数カットは必要だったと思います。

前二人よりはお竹さんはストーリーがシンプルな分、八丁堀のなに様だったか、忘れちゃったけれど侍との関係性もちゃんと育っていて良かったなあ。

芝居はクライマックスを続けるのは楽しいけれど、きちんと納めることは面白い芝居であればあるほど難しくなるのだとつくづく感じました。

それだけ深いところまで考えたくなる芝居でした。

あと、演じる側の楽しさに比べて見る側の窮屈さ。こういうぶっ飛んだ芝居はスタンディングありの見世物にしてお酒なんかも飲めたら楽しいのにね。もともと子供鉅人という劇団は劇場に縛られずにやっていたところだという事なので、今度は舞台じゃないところで見てみたいです。

ザムザ阿佐谷自体はいい小屋だなと思いました。場所が全然分からなかった事以外は。こんなところで芝居やって暮らすのはしんどいかもしれないけど楽しいよなー。

 

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